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一般皮膚科

当院では、主に保険診療で皮膚疾患を治療いたします。
いくつかの代表的な皮膚疾患について、一般的な知識や当院での治療方針を書きましたので、御参照ください。

代表的な皮膚疾患

各種皮膚疾患

アトピー性皮膚炎は、その名称が非常に有名になり、また患者さんの数も多い疾患です。しかし、その実態や治療法については間違った知識が広まっていたりします。当院では日本皮膚科学会のガイドラインに沿った基本的な治療を心がけています。 よく原因は何か?と尋ねられますが、「アレルギー体質と皮膚のバリアが弱い特徴を持った体質」ということになります。「食べ物が原因?」とか「ダニが原因?」などと聞かれますが、それらは原因と呼ぶより悪化因子と呼ぶ方が適切ではないかと感じています。実際には一人一人のアトピー性皮膚炎の患者さんにそれぞれの悪化因子が存在するために、一律に生活指導することは難しいのです。1度診察しただけで治してしまうことは無理です。しかし、長い経過を見て患者さんとの付き合いが長くなってくると、悪化因子になんとなく気づき、それをアドバイスすることで劇的に軽快することはあります。 とりあえずは、しっかりと対症療法をすることが大切です。「ステロイドが恐い」という訴えはよく聞きますが、「湿疹反応がひどいのにステロイドを塗らない」ということも充分恐いことです。軽快すれば、ステロイドの外用は減らしていくべきですが、治ったように見えているところにも少しは外用を続けるという治療法があり、これを「プロアクティブ療法」と呼ばれています。 いずれにせよ、アトピー性皮膚炎は患者さんと医師が長く付き合っていく必要がある疾患です。

 よくある間違いなのですが、痒みのある発疹は全てじんま疹と思われている方がいます。じんま疹も湿疹もともに痒い疾患ですが、別のものです。
じんま疹は、突然蚊に刺されたように盛り上がった膨疹が地図状に広がり、痒みを伴い、数時間で消えてしまう(少なくとも24時間以内には)ものです。原因は何かと聞かれることがありますが、90%以上のじんま疹はいろいろな検査をしても原因はわからないものです。敢えて言うなら、「じんま疹が出やすい体調に陥っている」ことが原因です。
多くの場合は抗アレルギー剤を一定期間内服すれば治まりますが、中には1ヶ月以上も持続する慢性じんま疹もあります。

 脱毛症にはいろいろありますが、男性型脱毛というものは生理的な脱毛で病的なものではありません。円形脱毛症はおそらく自己免疫的な原因で起こっていると考えられる病的な脱毛症です。 治療法には以下のようなものがあります。
  • ステロイド外用
  • ステロイド局注
  • セファランチン内服
  • フロジン液外用
  • ステロイドパルス療法
  • 局所免疫療法(かぶれ療法)
  • 紫外線療法
当院では、ステロイドパルス療法、局所免疫療法は行っていませんので、これらが必要な患者さんは、他施設への紹介となります。
当院では強力な紫外線照射器のエキシマライトがありますので、これによる治療が受けられます。ただし、保険診療として照射できるのは、アトピー性皮膚炎の素因を持った円形脱毛症患者さんだけとなります。

 白い斑ができる疾患はいろいろありますが、白なまずと呼ばれる尋常性白斑は自己免疫機序により色素細胞が障害されて起こるものと考えられています。
鑑別には年齢変化とともに現れる老人性白斑、湿疹などの炎症が起こった皮膚に起きる色素脱失、その他にもいろいろあります。
診察をした上で尋常性白斑と診断された場合は、適切な治療を行っていきます。基本的にはステロイド外用になりますが、他に免疫抑制剤やビタミンDの外用剤が効くとも言われています。
その他に有効な治療法が紫外線療法です。当院にあるエキシマライトは治療に有効である308nmの波長の中波紫外線のみを選択的に照射することができます。週に1,2回のペースで照射いたします。

 尋常性乾癬は、一見すると湿疹のように見える、かさつきの強い紅斑がいろいろな場所に生じる疾患で、特に機械的な刺激を受けやすい肘、膝などにできやすく、その他に腰、下腿、頭部などにもできやすいです。 尋常性乾癬の他に、関節痛を伴う関節症性乾癬や膿疱が生じる膿疱性乾癬、喉に細菌感染が起こってからしばらくして細かい皮疹ができる滴状乾癬などがあります。
乾癬の治療には様々な方法がありますが、当院では紫外線照射器のエキシマライトでの治療が可能です。

 これは尋常性乾癬と親戚のような疾患で、手の平と足の裏に膿疱や角質の肥厚、剥離が起こってきたりする症状があります。そのため、水虫と誤診されることも多いようです。
ステロイドやビタミンDの外用剤が治療の中心になりますが、手の平、足の裏に症状が限局していますので、局所のみに紫外線を照射するエキシマライトが非常に有効です。

 ここ数年で、にきび(尋常性座瘡)の治療薬が飛躍的に増えてきました。2008年に発売になったディフェリンゲル、2015年より発売された過酸化ベンゾイル配合のベピオゲルとデュアック配合ゲル。これらの薬は非常に効果が高く、薬剤が発売されるとともに日本皮膚科学会の治療ガイドラインが書き換えられているくらいです。ただし、人によっては刺激があり皮膚がカサカサしてくるとか、赤くかぶれることがあるなど、いろいろと使いづらい点もあり、使用するに当たって医師の指導が必要です。
酷い場合には、抗菌薬の内服や外用も併用することがあります。

 カビ(真菌)による皮膚感染症で、白癬菌というカビが原因です。足にできた場合は水虫、他の部位にできた場合はたむしと呼ばれます。
足の角層が剥けるような状態になると、それだけで水虫だと思われる人が多いですが、見た目が水虫である症状のうちの30%は水虫ではないと言われています。必ず顕微鏡で検査して白癬菌の有無を確かめでから治療することが大切です。
爪水虫に関しては、外用だけでは治らなくて内服しなければいけないとされていましたが、最近では爪水虫にも有効な外用剤も出てきました。

 ウイルスによってできるイボを尋常性疣贅と呼びますが、主な治療は液体窒素による冷凍凝固療法です。これは-196℃の液体窒素でイボの組織を凍らせ、壊死させて取り除く治療法です。
当院では、クライオプロという、液体窒素の噴射機があり、効率よくイボを凍らせることができます。あまりにも小さすぎるイボに対しては、従来の綿棒やピンセットを使った治療法を行います。

 伝染性軟属腫(水いぼ)は幼少児によくできる疾患です。ウイルスによりうつったり広がったりします。
治療方針は大きく分けて、取らないで経過観察して自然消退を待つ方法と積極的に取り除く方法があります。
水いぼはある程度は増えますが、1年くらいで自然に消退することが多いです。小児科では「自然と消えますからほっておきましょう」と言われることが多いようです。しかし、スイミング教室や保育園で「治療してきてもらってください」と言われ皮膚科を受診することが多いのです。
当院でも水いぼを経過観察することは多いのですが、患児にも納得してもらえば、ピンセットで摘み取って治療します。その時にはペンレスという麻酔のテープを貼って1時間くらい待ってから摘み取ります。全く痛みがなくなるわけではないですが、そのまま取るときより30%くらいの痛みですむのではないでしょうか。

 帯状疱疹は、幼少児に罹患した水疱瘡のウイルスが体に潜んでいて、体力が弱ったときにどこかの神経節でウイルスが活動しだし、神経の走向に沿って、小さい水ぶくれと痛みを起こす疾患です。
よく「うつりますか?」と聞かれますが、上記のようにウイルスは自分の体内に潜んでいたものです。ただし、帯状疱疹の患者さんから、まだ水疱瘡にかかってない子どもや免疫力が低下した人には水疱瘡として感染することがあります。
中程度までの帯状疱疹なら、抗ウイルス剤の内服で軽快します。痛みに対しても内服薬で対応できる場合が多いです。しかし、重症な帯状疱疹は大きな病院で抗ウイルス剤の点滴が必要な場合があったり、痛みが通常の薬では抑えられずにペインクリニックに紹介させていただくこともあります。

 やけど(熱傷)を起こしたときには、まずはすぐに冷やすことが大切です。それも少なくとも20分以上は冷やすべきです(ただし、全身を冷やすと低体温になってしまうことがありますが)。病院や医院を受診するときには,充分に冷やしながら来院してください。
以上のことはやけどを起こしてすぐの場合のアドバイスですが、やけどを起こしてから数日経って来院される患者さんもいらっしゃいます。その場合には、やけどの範囲や深さを診た上で治療方針を立てていきます。 範囲や深さによっては、大きい病院の形成外科を紹介することもあります。

 魚の目(鶏眼)、たこ(胼胝)は慢性的な圧迫や摩擦などの機械的刺激により角質層が増殖する疾患です。たこの場合は筆記具の長時間使用により手指にできる”ペンだこ”や、足底部や足趾の荷重部にできるものが多く、外側に向けて角質層が肥厚していきます。一方、鶏眼は限局的刺激により、深部に向かって角質層が肥厚します。
ニッパ型爪切りやカミソリで削り取る治療を当院で行っていて、削り取った直後はだいぶ楽になります。ただし、魚の目、たこは荷重がかかると発生するので、また同じところでできてしまうのは避けられません。そのため、当院では靴の指導も行っています。
詳しくは「足の皮膚病変でお困りの方へ」のページを御参照ください。